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帯状疱疹

帯状疱疹は、子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルスが原因で起こる皮膚の病気です。水ぼうそうが治った後も、ウイルスは体内の神経節に長期間潜伏しています。加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が低下した際に、このウイルスが再び活動を始めることで、皮膚にピリピリとした痛みや赤い発疹、水ぶくれを引き起こします。

帯状疱疹は、何よりも「早期発見・早期治療」が重要となる疾患です。治療開始が早いほど、長引く痛みの後遺症(帯状疱疹後神経痛)のリスクを減らすことができるため、入間市の寺師医院では、皮膚科が休診で「内科のみ」の診療日であっても、帯状疱疹の診察を受け付けております。患者さんの痛みをいち早く和らげ、後遺症を残さないための早期治療に力を入れています。

帯状疱疹の症状について

帯状疱疹の症状は、多くの場合、体の左右どちらか一方に帯状に現れるのが大きな特徴です。症状の経過には一定のパターンがあり、早期に気づくことが大切です。

初期段階の違和感と痛み

皮膚に発疹が現れる数日から1週間ほど前から、皮膚の深いところにピリピリ、チクチクといった痛みや違和感が生じます。この段階では見た目に変化がないため、虫刺されや筋肉痛、あるいは内科的な疾患と勘違いされることも少なくありません。夜も眠れないほどの激しい痛みを感じる方もいらっしゃいます。

発疹と水ぶくれの出現

痛みを感じていた部位に一致して、赤い斑点状の発疹が現れます。その後、速やかに小さな水ぶくれが多数集まって形成されます。水ぶくれは中央がくぼむこともあり、内容物が濁って黄色くなることもあります。これらが神経の通り道に沿って「帯状」に広がるのが、帯状疱疹という名前の由来です。

皮膚症状の終息

通常、発疹が出てから2~3週間ほどで水ぶくれは破れてかさぶたになり、皮膚の症状は落ち着いていきます。しかし、皮膚が治った後も痛みが続く場合があり、これを帯状疱疹後神経痛(PHN)と呼びます。特にご高齢の方や、初期の症状が重かった方は、この後遺症に注意が必要です。

帯状疱疹の原因について

帯状疱疹の直接的な原因は、水痘-帯状疱疹ウイルスです。このウイルスに初めて感染したときは「水ぼうそう」として発症しますが、治癒後もウイルスは完全に消滅したわけではありません。

ウイルスの潜伏と再活性化

水ぼうそうが治った後、ウイルスは脊髄近くの「神経節」という場所に身を潜めます。普段は私たちの免疫力によって抑え込まれていますが、何らかの理由で免疫のバランスが崩れると、ウイルスが再び増殖を始めます。ウイルスは神経を伝わって皮膚まで降りてきて、炎症を起こすことで痛みと発疹を招きます。

免疫力を低下させる要因

以下のような要因が、帯状疱疹を発症させるきっかけとなります。

  • 加齢に伴う免疫機能の自然な低下(特に50歳以上)
  • 仕事や家事による過度の疲労の蓄積
  • 精神的なストレスや心身の消耗
  • 糖尿病やがんなどの持病による免疫抑制状態
  • ステロイド薬などの免疫を抑える薬剤の使用

帯状疱疹の病気の種類について

帯状疱疹は発症する部位や合併症の有無によって、注意すべき点が変わります。当院では全身の症状を確認しながら、慎重に診断を行っています。

部位による分類

胸部や背中の帯状疱疹

最も頻繁に見られる部位です。肋間神経に沿って現れることが多く、心臓の痛みや胆石の痛みと間違われることもあります。

顔面の帯状疱疹

三叉神経(顔の感覚を司る神経)に沿って現れます。目の周りに出ると視力低下や角膜炎の原因となり、重篤な場合は失明に至る可能性もあります。鼻の頭に発疹が出ると目の合併症のリスクが高まることが知られているため、眼科的な評価を含めた早急な対応が求められます。

耳や口の帯状疱疹

耳の周りに発疹が出るとともに、顔面神経麻痺や難聴、めまいを伴うことがあります。これは「ラムゼイ・ハント症候群」と呼ばれる特殊な状態で、治療が遅れると難聴や顔の麻痺が後遺症として残ってしまう恐れがあるため、迅速な専門的治療が必要です。

※お顔や耳の周りに症状が出た際は、こうした重篤な後遺症を防ぐためにも、決して放置せず「とにかく早めに受診すること」が大切です。

重症度や合併症による分類

帯状疱疹後神経痛(PHN)

皮膚の発疹が消えた後も、3か月以上にわたって続く痛みのことです。神経がウイルスによって傷つけられたために起こる後遺症で、早期の抗ウイルス薬投与がこのリスクを下げると考えられています。

汎発性帯状疱疹

局所的な帯状の症状だけでなく、全身に水ぼうそうのような発疹が広がる状態です。免疫力が著しく低下している方に見られることがあり、入院治療を検討する場合もあります。

帯状疱疹の治療法について

帯状疱疹の治療の目的は、ウイルスの増殖を抑えて症状を早く治すこと、そしてつらい痛みを取り除き、後遺症を防ぐことです。当院では患者さんの症状に合わせて最適な組み合わせを提案します。

抗ウイルス薬による薬物療法

治療の柱となるのが、ウイルスの増殖を直接抑える「抗ウイルス薬」の内服です。発症から72時間以内に投与を開始することが最も効果的とされています。

  • アメナメビル(商品名・・アメナリーフ)・・1日1回の服用で済み、腎機能への影響が少ない薬剤です。
  • バラシクロビル(商品名・・バルトレックス)・・吸収が良く、広く使われているお薬です。
  • ファムシクロビル(商品名・・ファムビル)・・ウイルスの増殖を効率よく抑えます。

痛みをコントロールする治療

帯状疱疹の痛みは非常に体力を消耗させるため、適切な鎮痛薬の使用が不可欠です。当院では内科的な視点から、全身状態に合わせた処方を行います。

  • 消炎鎮痛薬(ロキソプロフェンなど)・・初期の炎症による痛みを和らげます。
  • 神経痛特有の薬(プレガバリン、ミロガバリンなど)・・神経の興奮を抑え、ピリピリした痛みに作用します。
  • 外用薬(塗り薬)・・水ぶくれの細菌感染を防いだり、皮膚の保護をしたりするために使用します。

日常生活での注意点

お薬の服用に加えて、ご自身で気をつけていただきたいポイントがあります。

  • 安静と休養・・免疫力を回復させるために、まずは体をゆっくり休めてください。
  • 患部を温める・・冷やすと神経の痛みが強まることがあります。適度に温めると楽になる場合があります。皮膚のただれがひどいなど、症状の段階によっては医師にご相談ください。
  • 水ぶくれを潰さない・・細菌感染を起こすと痕が残りやすくなります。触らず清潔を保ちましょう。

帯状疱疹の予防接種と費用

入間市では、65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳の方を対象に、帯状疱疹ワクチンの定期接種(一部自己負担)が実施されています。当院では2種類のワクチンを取り扱っています。なお、対象年齢以外の方は任意接種となります。

予防接種の種類と特徴

項目 生ワクチン(水痘ワクチン) 不活化ワクチン(シングリックス)
接種回数 1回 2回(2か月から6か月の間隔)
予防効果 約50から60パーセント 90パーセント以上
持続期間 約5年 9年以上
対象 50歳以上 50歳以上または発症リスクの高い18歳以上

帯状疱疹についてのよくある質問

Q1. 周囲の人に帯状疱疹が移ることはありますか?

A1. 帯状疱疹そのものが移ることはありませんが、水ぼうそうにかかったことがない人(特に乳幼児)には、ウイルスが移って水ぼうそうを発症させる可能性があります。水ぶくれが乾いてかさぶたになるまでは、免疫のない方との接触を控えましょう。

Q2. お風呂には入っても大丈夫ですか?

A2. はい、お風呂に入って患部を温めることは痛みの緩和につながります。ただし、水ぶくれをゴシゴシ洗うのは避け、石鹸を泡立てて優しく洗うようにしてください。湯船に浸かることも問題ありませんが、ご家族に水ぼうそう未経験の方がいる場合は最後に入るなどの配慮があると安心です。

Q3. 一度かかれば二度とかかりませんか?

A3. 残念ながら、再発することもあります。多くの人は一生に一度だけですが、免疫力が大幅に低下した際に2回目、3回目と発症するケースも数パーセント程度報告されています。一度かかったからと油断せず、体調管理に気を配ることが大切です。

Q4. 痛みだけで発疹が出ないこともありますか?

A4. 非常に稀ですが、発疹が出ずに痛みだけが生じる「無疹性帯状疱疹」という病態も存在します。しかし、診断が難しいため、基本的には皮膚の症状が出てから確定診断を行うことが一般的です。気になる痛みがあれば早めにご相談ください。

院長より

帯状疱疹の痛みは、夜も眠れないほど辛くなることがあり、患者さんから「このまま痛みがずっと続くのではないか」という強い不安のお声をよく伺います。

この病気は、頑張りすぎた体からの「少し休んでください」というサインでもあります。入間市豊岡の地で地域の皆さまの健康を見守る寺師医院では、単に痛み止めや抗ウイルス薬を処方して終わりにするのではなく、患者さんの痛みや不安にしっかりと寄り添い、安心して療養に専念できるようなサポートを大切にしています。

帯状疱疹かもしれないと感じたとき、あるいは「この痛みは何だろう?」と不安になったとき、どうか一人で我慢せずに、私たちが全力でサポートいたしますので、まずはご相談にいらしてください。ともに治療に取り組んでまいります。

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